高齢者講習の流れを、なるべく分かりやすく解説してみました

高齢者講習の流れ(更新前)

高齢者講習は、年齢や認知機能検査の結果によって内容も時間も変わります。

どういう手順で講習を受講するのかを、なるべく分かりやすいようにまとめてみました。

自分がどの講習を受けるのかを、あらかじめ知っておいた方が手続きがスムーズに進みます。

以前に比べて分かりにくい仕組みになっていますが、頑張って覚えてしまいましょう。

★免許更新までの流れをまとめてあります↓
認知検査と高齢者講習を受けて、免許更新するまでの手順をまとめました>>

高齢者講習は、「免許更新時の高齢者講習」と「臨時高齢者講習」の2つがあります。

高齢者講習というと、通常は「免許更新時の高齢者講習」のことを指します。

免許更新時の高齢者講習の流れ

高齢者講習の流れ(更新前)

免許更新時の高齢者講習は、上の図のような流れになります。

75歳未満の方は認知機能検査が無いので、2時間の高齢者講習を受ければ免許更新ができます。

75歳以上の方は認知機能検査の結果によって、2時間か3時間どちらかの高齢者講習を受けることになります。

では、もう少し詳しく説明していきますね。

75歳未満の人はどうすればいいか

75歳未満の人(上の図でいうと緑矢印)は、認知機能検査を受ける必要がありません。

2時間の高齢者講習を受講すれば、高齢者講習の終了証がもらえます。

高齢者講習の通知書が自宅に郵送されてくるので、すぐに自動車学校に電話をします。

自動車学校の方が説明してくれるので、それに従って予約を取ってください。

高齢者講習の終了証があれば、免許証の更新をすることができます。

75歳以上の人はどうすればいいか

75歳以上の人(上の図でいうとオレンジ矢印)は、まずは認知機能検査を受ける必要があります。

認知機能検査の通知書が自宅に郵送されてきます。

すぐに自動車学校に電話をして、認知機能検査の予約を取ります。

認知機能検査の結果は、自宅に郵送されるか、自動車学校で教えてもらえます。(都道府県によって違います。)

結果が出たら、次は自動車学校に電話して高齢者講習の予約を取ります。

高齢者講習は、認知機能検査の成績によって、2時間の講習か3時間の講習に分かれます。

  1. 第3分類の人
    認知機能検査の結果が76点以上だと第3分類になります。
    第3分類では、「記憶力・判断力に心配が無い人」という結果ですね。
    講習時間は2時間となります。
  2. 第2分類の人
    認知機能検査の結果が49点以上76点未満だと、第2分類になります。
    第2分類では、「記憶力・判断力が少し低くなっている人」という結果です。
    講習時間は3時間となります。

  3. 第1分類の人
    認知機能検査の結果が49点未満だと、第1分類になります。
    第1分類では、「記憶力・判断力が低い人」という結果です。
    第1分類の人は、臨時適性検査または医師の診断を受けます。
    臨時適性検査または医師の診断を受けない場合は、免許停止の対象となります。
    認知症だと認められた場合は、免許の取り消しを含む行政処分となります。
    認知症ではなかった場合は、3時間の高齢者講習を受講すれば免許証を更新することができます。

高齢者講習を受講すれば、免許証の更新をすることができます。

★認知機能検査で第3分類を目指す方法↓
認知機能検査で76点以上取る方法。イラスト問題の覚え方のコツなど>>

 

臨時高齢者講習の流れ

高齢者講習の流れ(更新後)

従来は、高齢者講習は免許更新時のみでしたが、次の更新までの3年間に認知症になってしまう方もいます。

そこで、75歳以上の方は、免許を更新した後でも認知症の疑いがある交通違反をした場合に、

臨時で認知機能検査や高齢者講習を受講することになりました。

では、臨時の認知機能検査と高齢者講習を詳しくみていきたいと思います。

75歳未満の人

75歳未満の方は、臨時の認知機能検査や高齢者講習はありません。

上の図の緑矢印のように、免許の更新後は、次の更新までそのまま免許が継続されます。

ただし、75歳未満のときに免許の更新をしていて、更新後に75歳以上となった場合は、75歳以上の人と同じとみなされます。

75歳以上の人だが、違反が無い人

75歳以上で、認知症の疑いのある交通違反をしていない場合は、臨時の認知機能検査や高齢者講習は必要ありません。

上の図で言うと、オレンジ色「一定の違反なし」の人になります。

免許の更新後は、次の更新までそのまま免許が継続されます。

75歳以上の人で一定の違反をした人

一定の違反をした場合は、まずは臨時認知機能検査を受けなくてはなりません。
(臨時認知機能検査を受けないと免許取消・停止といった行政処分となります。)

上の図でいうと、オレンジ色「一定の違反あり」の矢印になります。

臨時認知機能検査の結果が、前回の認知機能検査の結果と比べて、低下しているかどうかで臨時高齢者講習を受けるかどうかが決まります。

  1. 認知機能が低下していない第3と第2分類の人
    前回の認知機能検査と比べて認知機能が低下していない場合は、そのまま免許が継続されます。
    臨時高齢者講習は必要ありません。
    以下のパターンの人が該当します。
    第3分類 → 第3分類
    第2分類 → 第3分類
    第2分類 → 第2分類
    第1分類 → 第3分類
    第1分類 → 第2分類
  2. 認知機能が低下している第2分類の人
    前回と比べて認知機能が低下している第2分類の場合は、臨時高齢者講習の対象となります。
    この講習を受講すれば免許が継続されます。
    臨時高齢者講習を受講しなかった場合は、免許取消・停止の行政処分となります。以下のパターンの人が該当します。
    第3分類 → 第2分類

  3. 第1分類の人
    第1分類の場合は、認知機能が低下しているかしていないかに関わらず臨時適性検査または医師の診断を受ける必要があります。
    臨時適性検査または医師の診断を受けない場合は、免許停止の行政処分の対象となります。
    また、認知症だと認められた場合は免許取消・停止といった行政処分となります。
    前回に比べて認知機能が低下している場合は、臨時高齢者講習の対象になります。
    以下のパターンの人が該当します。
    第3分類 → 第1分類
    第2分類 → 第1分類
    前回に比べて認知機能が低下していない場合は、そのまま免許証が継続されます。以下のパターンの人が該当します。
    第1分類 → 第1分類

この流れをみると、免許の更新後に一定の違反をしてしまった場合でも、認知症と診断されなければ免許証は継続されます。

ただし、臨時高齢者講習は、臨時認知機能検査を受検した日から1ヶ月以内に受講しなくてはいけません。

うっかり臨時高齢者講習を受講しなかった、ということが無いように注意しましょう。

MEMO
一定の違反とは
認知機能が低下すると、信号無視、一時不停止、運転操作不適などの危険な行動の割合が高くなるとされています。
一定の違反とは、認知機能が低下したときに起こしやすい以下のような違反をいいます。

1. 信号無視
2. 通行禁止違反
3. 通行区分違反
4. 進路変更禁止違反
5. 横断等禁止違反
6. 指定場所一時不停止等
7. 指定通行区分違反
8. 優先道路通行車妨害等
9. 横断歩道等における横断歩行者等妨害
10. 交差点優先車妨害
11. 横断歩道のない交差点における横断歩行者妨害
12. 遮断踏切立入等
13. 徐行場所違反
14. 環状交差点通行車妨害等
15. 交差点右左折等方法違反
16. 環状交差点左折等方法違反
17. 合図不履行
18. 安全運転義務違反

今回の道路交通法の改正で、15〜18までの項目が追加されました。

 

高齢者講習の流れのまとめ

高齢者講習は75歳をこえると、認知機能検査が必要になります。

認知機能検査を受けたところで、「高齢者講習は終わった」と勘違いしてしまう方もいます。

2回自動車学校に行かなくてはいけないことを覚えておきましょう。

高齢者講習を受講できる期間は、およそ6ヶ月です。

この期間で認知機能検査と高齢者講習を受けるのは、自動車学校が混雑しているので、意外とたいへんです。

流れを覚えておいて、スムーズに免許更新ができるようにしてください。

また、75歳以上では、更新時だけでなく臨時の認知機能検査や高齢者講習も関係してきます。

特に臨時高齢者講習は、臨時認知検査後1ヶ月以内に受講しなくてはならないということも注意が必要です。

通知が届いたら中身をよく読んで、後回しにしないようにしましょう。

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