MT車のクラッチ講座。上手な発進方法と、その理由を説明

クラッチ講座
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普通自動車のクラッチ操作は、上手くできずに悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。

クラッチを操作するときには、車の中でどういう動作をしているのか分かっていた方が頭の中がスッキリします。

そこで、クラッチの動作の仕組みと、上手に発進するコツを書いてみました。

エンジンをかけるときのクラッチ

自動車学校では、エンジンをかけるときにクラッチをしっかり踏んでからキーを回すように教えてもらいます。クラッチペダルを踏まずにキーを回しても、エンジンはかかりません。

では、なぜクラッチペダルを踏んでいないと、エンジンはかからないのでしょうか。

その答えを、クラッチの動作から説明していきたいと思います。

まず、クラッチというのはエンジンとタイヤの間にあって、2枚の丸い円盤のようなものだと思ってください。

エンジンがかかる前は、そのクラッチの円盤がぴったりくっついています。(下のイラストの青い部分がクラッチです。)

停止時のクラッチ

この状態でエンジンをかけるとどうなるでしょう?

キーを回すと、エンジンがすぐに回り始めます。すると、エンジンとタイヤがつながっているので、エンジンの回転がすぐにタイヤに伝わってしまいます。

クラッチを踏まずにエンジン

これでは、キーを回した直後に車が動き出してしまったり、エンジンに負担がかかりすぎてエンストしてしまいます。

そこでエンジンをかけるときは、まずクラッチの円盤を離すことによって、エンジンとタイヤを切り離す必要があるのです。

そうすれば、エンジンが回り始めても、タイヤと離れているので動くことはありません。(下のイラスト参照)

正しいクラッチ操作

クラッチの円盤を切り離すには、クラッチペダルを踏み込みます。クラッチを踏むと、下のイラストのようにクラッチの円盤が離れます。(一番左のイラスト)

クラッチペダルの動作

クラッチペダルを踏んで、エンジンとタイヤを切り離してから、キーを回しましょう。それで安全にエンジンがかかります。

さて、ここまでの話で、クラッチペダルを踏まずにエンジンをかけてはいけないことを説明しました。

ところが…

いけないと分かっていながら、うっかりクラッチペダルを踏まずにエンジンをかけてしまう人もいます。

ブレーキをかけていないと、短い距離ですが、車は突然動きます。以前に、その誤操作によって死亡事故につながってしまったこともありました…

そこで事故防止のため、「クラッチ・スタートシステム」という安全装置が開発されたのです。

この装置は、誤発進防止のため、クラッチペダルを踏み込んでいないとエンジンがかからないようにするものです。

現在はこの装置がついている車がほとんどなので、クラッチペダルを踏んでいないとエンジンはかからないのです。

クラッチペダルを踏むと円盤が離れるのはなぜか
「クラッチペダルを離すとエンジンとタイヤがくっつく」というのは不思議に感じますか?でも、これが反対だとたいへんなんです。
クラッチペダルを踏んでいないと車を動かすことができなくなってしまいます。運転している間、ずっとクラッチペダル踏みっぱなしでは疲れてしまいますよね。

発進時のクラッチ操作

エンジンがかかった後は、いよいよ発進します。クラッチペダルの操作は、自動車学校では、

  1. クラッチペダルをいっぱいまで踏み込む
  2. 半クラッチまでペダルを上げて、少し止める
  3. ゆっくりペダルを離す

となっています。なぜそのような操作が必要なのか説明してみます。

今回はクラッチのことについて説明したいので、アクセルについては説明していません。発進時は軽くアクセルを使いながらクラッチを上げていくと加速が良くなるし、エンストしにくくなります。

踏み込んだ状態から半クラまでの操作(前半)

エンジンは、クラッチペダルをいっぱいに踏み込んだ状態でかけるんでしたよね。

そのため、最初の足の位置は、クラッチペダルをいっぱいに踏み込んだ(A)の位置です。クラッチの円盤は完全に離れています。(下のイラスト参照)

クラッチを踏んだ状態

この状態から発進するには、クラッチペダルを上げて円盤がこすれあう状態にします。(B)の位置ですね。(下のイラスト参照)

半クラッチの状態

この位置までクラッチペダルが上がると、エンジンとタイヤがつながって、車が動き始めます。この位置が半クラッチ(半クラ)と言われる場所です。

なぜこすれ合う状態が必要なのかと言うと、エンジンの回転が急にタイヤにつながると、急に発進したりエンストするからです。

ジワッと優しく発進したいですよね。そのため、円盤をジワッとくっつけないといけません。

さて、ここでクラッチペダルの操作について大事なことがあります。

このこすれ合う位置までは、円盤がくっついていないので車は動きません。ということは…

クラッチペダルは、Aの位置からBの位置までは、なるべく早く上げた方がいいということになりませんか?

そうしないと、発進するのが遅くなるし、坂道では後ろに下がってしまいます。

すばやくBの位置までクラッチを上げてジワッと動き始めます。その位置を少し続けることでゆるやかな発進をすることができます。

クラッチを上げた瞬間にエンストする人
発進するときに、クラッチを上げた瞬間にエンストをするのなら、半クラだと思っている位置が上すぎです。正しい位置がBだとすると、Bを行き過ぎ、BとCの間までクラッチが上がっています。
Bの位置まではクラッチペダルを早く上げた方がいいのですが、最初はゆっくり上げて、車が動き出す高さ(Bの位置)を覚えます。それを徐々に早くしていきましょう。

半クラからペダルを離すまでの操作(後半)

半クラ(Bの位置)では、クラッチの円盤がこすれあっている状態でした。このBの位置からCの位置までは、しっかりとエンジンの回転がタイヤに伝わる範囲です。

この範囲を急いでくっつけてしまうと、急発進になるか、エンジンに負担がかかりすぎてエンストしてしまいます。

クラッチを離した状態

そこで、Bの位置からCの位置までは、ゆっくりとクラッチペダルを上げていきます。

どうでしょう…5秒くらいかけて足をペダルから離す感じかな。発進時のクラッチ操作は本当にゆっくりなんです。

クラッチペダルの操作の仕方
AからCまでの範囲は広く、かなり上の方まで足を動かします。そのためクラッチペダルを操作するときは、かかとを床につけるのではなく、左足全体を持ち上げるような感じにします。
最初は「左足が震えてくるし、疲れる」ので、これは正しい操作なのか疑問に感じるかもしれません。でも慣れればムダな力が抜けて疲れなくなってきます。

BからCまでの範囲は、想像しているより広いことが多いですよ。

半クラから上をゆっくり上げるのは分かっているのですが…

「もうここならいいだろう」とクラッチペダルを上げたら、実はまだゆっくり上げなければならない範囲だった

ということがよくあります。クラッチペダルを踏むと、クラッチペダルが足を押し返してきますよね。

その押し返しがどこまで続くのか確かめてみると分かりやすいかもしれません。BからCまでは、意外と長い範囲ゆっくり上げることに注意しましょう。

発進が遅く、動きだしたときにガタガタする人
クラッチペダルを上げてきているはずなのに、発進までに時間がかかる。動きだしてからクラッチを離したらガタガタする…
という場合は、半クラッチの位置が正しいBの位置まで上がっていません。AとBの間を半クラだと思いこんでいるので、発進が遅れています。
そして、ようやく動きだしたと思ったら、残りの後半を早く上げすぎているのでガタガタくるのです。

止まるときにクラッチを踏む理由

車を止めるときに、なぜクラッチペダルを踏まないといけないのか疑問に思ったことはないでしょうか?

踏まないとエンストすることは分かっていても、理由が分かっていない人は多いと思います。

では、説明していきたいと思います。

まず、キーを回すと、すぐにエンジンは回転を始めます。キーをOFFにしない限り、エンジンは常に回っているのです。

正しいクラッチ操作

半クラにすると、タイヤに回転が伝わって車が動き始めます。そしてアクセルを踏むと、エンジンの回転が速くなり、タイヤが速く回って速度が上がります。

クラッチを踏まずにエンジン

つまり、エンジンの回転が速くなるとタイヤの回転も早くなり、速度が上がるということです。

では、ブレーキをかけるとどうなるでしょうか。

ブレーキペダルを踏むと、ブレーキによってタイヤが止まろうとします。

止まるときのクラッチ

どんどん速度が落ちていくと、タイヤは止まってきますよね。でも、エンジンは常に回っているので…

エンジンは回ろうとしているのに、タイヤは止まろうとする、という状態になります。

動こうとするエンジン VS 止まろうとするタイヤ

になる訳ですね…

これではエンジンが悲鳴をあげて、エンストしてしまいます。

そのため、止まる直前にエンジンとタイヤを切り離す必要があるのです。

最後に

自動車学校では、当然クラッチ操作について説明してもらえます。でも、なぜそういう操作になるのかは、時間も限られているので詳しく説明してもらえないかもしれません。

理屈よりも実践というのも大事ですから。でも、動作の仕組みを理解している方が、もしかすると上達が早いかもしれません。

理屈が分かると、「こうしないといけないんだった!」と操作の忘れ防止にもなるかもしれませんね。

なかなか難しいクラッチ操作ですが、頑張りましょう!


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ABOUTこの記事をかいた人

柊にわか(ひいらぎ にわか)といいます。 自分が成長するのが好きな40代の男です。 パソコン、ジョギング、料理、お笑い、映画、ディズニー… ジャンルを問わず、興味をもったら首をつっこんでしまいます。 成長するのが止まったら自分の人生は終わりだろうなぁ。