高齢ドライバーが免許更新ですること。高齢者講習、認知機能検査、運転技能検査を説明します

高齢者講習の改正2022

令和4年5月13日に、道路交通法が改正されます。

この法改正で、高齢ドライバーの免許更新の仕方が大きく変わります。

そこで今回は、高齢者講習の変更点や、新しく導入された運転技能検査について説明していきたいと思います。

なるべく簡潔に説明していきますね。

★前回(平成29年)の法改正をおさらいしたい方はこちら↓
前回の高齢者講習の改正点をおさらいしておこう>>

高齢ドライバーが免許更新時にすること

高齢ドライバーが免許を更新するときには、年齢や違反歴によってすることが変わります。

どんなことをしなければいけないのかを、下記の図にまとめてみました。

高齢ドライバーの免許更新

では、この表の内容を、順に詳しく見ていきたいと思います。

免許更新時にすること(70〜74歳までの方)

70〜74歳までの方は、2時間の高齢者講習を受けるだけです。

今までも2時間の講習だったので、「変更なし」と言っていいでしょう。

ただし、普通車を運転できない免許の方は、実車が免除されて1時間の講習になりますよ。

普通車を運転できない免許の方とは
次の方のことを言います。
・原付免許のみ
・二輪免許のみ
・小型特殊免許のみ
・大型特殊免許のみ

免許更新時にすること(75歳以上の方)

75歳以上の方は、一定の違反があるか無いかで変わります。

【一定の違反が無い方】
次の2つを受けます。
・認知機能検査
・高齢者講習(2時間)
(ただし、普通車を運転できない免許の方の高齢者講習は1時間になります。)

【一定の違反がある方】
次の3つを全て受けなければなりません。
・認知機能検査
・運転技能検査
・高齢者講習(1時間)

これら3つを受ける順番は、どれからでも良いことになっています。

ちなみに私が思う一番オススメの順番は、
1.認知機能検査
2.運転技能検査
3.高齢者講習
の順です。迷ったらこの順で受けてみてくださいね。

では次の章からは、認知機能検査、運転技能検査、高齢者講習を順に見ていこうと思います。

免許更新におすすめの順番の理由
認知機能検査や運転技能検査ができないと高齢者講習が無駄になるので、高齢者講習は一番最後。
認知機能検査と運転技能検査は、認知機能検査の方が安いので一番最初。

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認知機能検査の変更点

認知機能検査は、料金・検査内容・判定の区分で変更があります。

認知機能検査の問題1

【料金】
750円から1,050円になります。
値上がりになりますね。

【検査内容】
今回の改正で、時計描画が無くなりました。

これまでは下記の3種類。
・時間の見当識
・手がかり再生
・時計描画

それが、下記の2種類になります。
・時間の見当識
・手がかり再生

時計描画が無くなっただけで、それ以外の問題に変更はありません。

【判定の区分】
判定区分は3種類から2種類に減り、分かりやすくなります。

これまでは下記の3種類。
・認知機能低下のおそれあり
・認知機能低下のおそれなし
・認知症のおそれあり

それが下記の2種類になります。
・認知症のおそれあり
・認知症のおそれなし

検査の点数が36点未満は「認知症のおそれあり」となり、医師の診断が必要となります。
医師の診断で認知証と診断された場合は、免許の停止または取消処分となります。

★認知機能検査の詳細はこちら↓
認知機能検査で76点以上取る方法。イラスト問題の覚え方のコツなど>>

 

運転技能検査(実車テスト)

高齢ドライバーが認知証のおそれがあるかどうかは、認知機能検査により分かります。

ところが実際の交通事故は、認知証のおそれは無いけれど、「運転技能の低下」が見られる方の割合も多いのです。

そこで運転技能検査を導入し、交通事故を減らす対策としています。

では、運転技能検査の詳細を見ていきましょう。

【運転技能検査の対象者】
次の両方に当てはまる方
・75歳以上で普通車を運転できる免許があり、過去3年間に一定の違反をした人
・令和4年10月12日以降に誕生日を迎える人

【過去3年間とは】
運転技能検査の違反行為は、免許証更新期間満了日の直前の誕生日の160日前の日から前3年間が評価期間になります。
分かりにくいので、下の図を見てください。
運転技能検査の違反行為の評価期間
赤色部分の3年間に違反した人が対象となります。

【運転技能検査はどんなことをするのか】
検査員の指示に従って1200メートル以上走行し、採点されます。
コースの課題には、以下のものがあります。
・指示速度による走行(1回)
・一時停止(2回)
・右折・左折(各2回)
・信号通過(2回)
・段差乗り上げ(1回)

【合格点数】
100点満点からの減点法です。
・第1種運転免許 70点以上
・第2種運転免許 80点以上
不合格となった場合でも、期間内に繰り返し受検することができます。

【料金】
1回受検するごとに3,550円です。

【運転技能検査に合格できないとどうなるのか】
免許証の更新をすることができません。(二輪・原付・大特・小特は更新可能)
技能検査は繰り返し受検できるので、合格するまで受検することになります。

 

高齢者講習の変更点

高齢者講習の変更点は、講習時間・料金・講習内容に変更があります。

【高齢者講習の時間】
高齢者講習は2時間と3時間の講習に分かれていましたが、2時間の講習に統一されます。
ただし次の方は例外として1時間の講習です。
・二輪・原付・小特・大特免許のみを保有している方
・運転技能検査の対象となる方

実際のところ、1時間の方は少なく、ほとんどの方は2時間の講習となるでしょう。

【高齢者講習の料金】
これまでの高齢者講習では、
・3時間講習 7,950円
・2時間講習 5,100円
でした。
それが2時間に統一され 6,450円 となります。
(1時間の講習の方は 2,900円)

【講習の内容】
2時間の講習の方の講習内容は、下記の表のようになります。
高齢者講習の内容
1時間の講習の方は、上の表から実車指導を除いた部分(講義と運転適性検査)になります。

 

高齢ドライバーの免許更新のまとめ

最後に、令和4年5月13日の道路交通法改正の特徴を挙げてみましょう。

まずは、認知機能検査と高齢者講習は、ルールがシンプルになりました。

・認知機能検査は問題数が少なくなり、認知症のおそれがある無いの2つになった。
・高齢者講習は2時間と3時間に分かれていたが、基本2時間になった。

今までは複雑なルールでしたからね…

次に料金については、値上がりと言っていいでしょう。

・認知機能検査 750 → 1,050円
・高齢者講習(2時間) 5,100円 → 6,450円

75歳以上の全ての人が受ける認知機能検査と、対象者が多い高齢者講習(2時間)が値上げなだけに、全体としては値上がりしたと言えると思います。

まとめると、今回の法改正で高齢ドライバーの免許更新は、

「ルールが分かりやすくなったが、料金が上がった」

と言っていいのではないでしょうか。

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