高齢者講習の詳細な内容と時間配分をまとめてみました

高齢者講習

高齢者講習は、年齢や認知機能検査の結果によって講習時間と内容が変わります。

以前には無かった、個別指導やドライブレコーダーの導入などで、きめ細かい指導になっています。

初めて高齢者講習を受ける人はもちろん気になると思いますが、

2回目3回目の人でも、法改正で内容が変わって、どんなことをするのか気になる人は多いと思います。

そこで、認知機能検査と高齢者講習がどんなことをするのか、時間がどのくらいかかるのかついて説明していきたいと思います。

★免許更新全体の手順です↓
認知検査と高齢者講習を受けて、免許更新するまでの手順をまとめました>>

認知機能検査

更新期間満了日における年齢が75歳以上の人は、記憶力・判断力を調べる認知機能検査が義務づけられています。

認知機能検査自体の内容に変更はありませんが、認知機能検査の結果によって講習の種類が変わります。

では、認知機能検査を詳しく見ていきましょう。

1 認知機能検査の内容と採点

認知機能検査は以下の3つの検査を行います。

  1. 時間の見当識
    時間の見当識とは、部屋や腕時計の時計を隠した状態で、年月日、曜日、時間を答えるものです。すべて正解すると15点です。
  2. 手がかり再生
    20枚のイラストを見せて記憶してもらいます。イラストは担当官が「この絵は○○です」と読み上げるので見間違いはありません。その後で数字を斜線で消すという違う問題を挟みます。そしてその後が本番です。まず、どんなイラストがあったのかをヒント無しで答えます。次にヒント付きの解答用紙でも答えます。すべて正解すると32点です。

  3. 時計描画
    時計を描きます。デジタルではなく、丸い文字盤のアナログ時計です。文字盤の数字や針の描き方によって得点が変わります。上手に描ければ最大7点です。

総合得点の計算方法は、

総合点=1.15×【時間の見当識】+1.94×【手がかり再生】+2.97×【時計描画】

です。得点の比率で見ると、

  • 時間の見当識:17.25
  • 手がかり再生:62.08
  • 時計描画:20.79

となるため、手がかり再生の比率が高いことが分かります。

採点は上記の項目を採点基準通りに採点し、総合得点により分類を判定します。

各分類の総合得点は

  • 第3分類が76点以上
  • 第2分類が49点以上76点未満
  • 第1分類が49点未満

です。

認知機能検査は、警視庁のホームページに検査の問題や採点方法まですべて公開されています。

認知機能検査の問題すべてが公開されているので、「インターネットで公開してもいいの?」と思う方もいるかと思いませんか?

でも実際のところ、インターネットで検索して公開ページにたどり着ける人は、だいたい第3分類になりますよ^^

★認知機能検査で第3分類を目指す方法↓
認知機能検査で76点以上取る方法。イラスト問題の覚え方のコツなど>>

2 認知機能検査の分類

認知機能検査の結果は3つに分類されます。

  1. 記憶力・判断力に心配のない者     → 第3分類
  2. 記憶力・判断力が少し低くなっている者 → 第2分類
  3. 記憶力・判断力が低くなっている者   → 第1分類

平成29年3月12日までは認知機能検査の分類が3つのうちの何であっても、講習時間や料金は変わりませんでした。
(講習の内容は分類によって違いがありました。)
ところが、法改正後は違います。

  • 分類が第3分類であれば、講習時間が2時間で料金が5,100円
  • 分類が第2と第1分類であれば、講習時間が3時間で料金が7,950円

と、講習時間も料金もかなり違います。

また、第1分類になった場合の後が変わります。

法改正前は過去1年以内に特定の違反行為をしていなければ、何事もなくそのまま免許が更新されていました。

ところが現在は、違反の有無に関係なく、第1分類すべての人が臨時適性検査または医師の診断の対象となります。

高齢者講習

高齢ドライバーに対する交通事故防止についてのアンケートによると、次の意見が多く見られました。

  1. 加齢による身体機能の低下は個人によって差があるから、個々に応じた講習をすべき
  2. 身体機能の低下があることを自覚させる講習をすべき

そこで、現在(平成29年の道路交通法の改正以降)では、

上記1に対しては個別指導を、
上記2に対しては実車指導の際のドライブレコーダー

で対応するようになりました。

では、高齢者講習を詳しく見ていきましょう。

★高齢者講習の混雑についてはこちら↓
高齢者講習は大混雑!今後どうなるか予測してみました>>

1 高齢者講習の内容

高齢者講習は、年齢と認知機能検査の結果により、受講時間と内容が変わります。

1. 75歳未満の方と、75歳以上で第3分類の方
2時間の講習(合理化講習)を受講します。
2時間の講習の内訳
   双方向講義(30分)→
   運転適性検査(30分)→
   実車指導(60分)

2. 75歳以上で第1分類の方と第2分類の方
3時間の講習(高度化講習)を受講します。
3時間の講習の内訳
   双方向講義(30分)→
   運転適性検査(30分)→
   実車指導(60分)→
   個別指導(60分)

3. 臨時高齢者講習
2時間の講習を受講します。
2時間の講習の内訳
   実車指導(60分)→
   個別指導(60分)

以前の高齢者講習
・平成29年3月12日以前の75歳以上の講習の内容
  認知機能検査と合わせて3時間の講習です。
  講義(30分)、運転適性検査(60分)、実車指導(60分)
  実車指導には運転シミュレーターあり

・平成29年3月12日以前の75歳未満の講習の内容
  3時間の講習です。
  講義(30分)、運転適性検査(60分)、実車指導(60分)、討議(30分)

2 講習の詳細の説明

高齢者講習の講義の内容です。

簡単にどんなことをするのかまとめてみました。

双方向講義

双方向講義とは、受講者の理解度に応じた講習を行うものです。具体的には、以下のような内容です。

  • 受講者に質問や発言してもらい、理解度を確認しながら講義をする。
  • 受講者それぞれの知識や能力に応じた講習を行うこと。

以前は、一方通行の講義でしたが、受講者に意見を聞きながら講習を進めていきます。

もう少し分かりやすく言うと、自動車学校の先生の話を、受け答えしながら聞いている時間ですね。

運転適性検査

運転適性検査は、視野検査、夜間視力、動体視力を計測します。

視野検査とは、目の見える範囲を測定します。

視野検査専用の検査器を使って、右目と左目の見える範囲を計測します。

左右合わせて150度以上、目の見える範囲があれば大丈夫です。

夜間視力は、暗闇の中での視力です。

高齢になるほど夜間視力は落ちると言われています。

夜間視力計という専用の測定器で、明るくなったり暗くなったりする中、どれくらい見えているかを計測します。

動体視力は、動いているものを見るときの視力です。

これも高齢になるほど落ちると言われています。

運転している時は動いているので、動いているときの視力は重要です。

動体視力計を使って、動いている時の視力を測定します。

実車指導

ドライブレコーダーで撮影した画像を見て、悪いところを説明してもらいます。

実車指導では分からない部分も、映像を見ることによって分かることもあります。

二輪車や原付の講習は、どうやら教官がヘルメットや車体にカメラを装着したりするなどして撮影するようです。

個別指導

個別指導とは、講習全体で把握した受講者の能力や特性を踏まえた安全指導のことをいいます。

個別指導は、3時間の高齢者講習しか行いません。

具体的な内容は、

  • 受講者の危険行動や悪い癖などに対する安全指導
  • 運動機能低下応じた安全指導
  • 地域の支援制度や公共交通機関等の教示
  • 免許証の自主返納の説明

などを行います。

受講者1人に対し、30分間個別指導をします。待ち時間は映像教養を行います。

DVDの視聴などによって、加齢による身体機能の低下や、危険予測などの知識を習得します。

個別に悪いところ、直した方が良いところをアドバイスしてもらえます。

最後に

高齢者講習は、3年に1回必ず受講しなくてはいけません。

この講習を、イヤイヤ受講するのと、自分の運転を見直そうと思って受講するのでは、講習の効果が全然違います。

今まで交通事故を起こしたことが無いから大丈夫、などと思わずに、悪いところがあれば修正していく方が良いですね。

高齢になれば誰でも身体の機能は落ちるものですから、「運転を変えていくのが普通」くらいの気持ちでいた方が良いのではないかと思います。

★いつまで運転するか考えている人に↓
KINTOの解約金フリープランは、高齢ドライバーにメリットが大きい購入方法です>>