高齢ドライバーの事故。免許返納と定年制について考えてみた。

免許の定年制
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高齢者の交通死亡事故が相次いで報道されています。
そんな中、「運転免許には定年制が必要なのでは?」という意見もよく聞くようになりました。

そこで、高齢ドライバーの免許返納の現状についてと、運転免許に定年制は必要なのかを考えてみました。

免許の返納はすすむのか

運転することが不安になったときは、自ら免許の返納するのが一番です。
自主返納の現状はどうなっているのでしょうか。

自主返納の現状

運転免許の返納は最近増加していて、1年間の返納が20万人を超えたという話も聞きます。

では、この20万人という数字は多いのでしょうか。警察庁の「運転免許統計 平成27年版」で調べてみました。

運転免許統計 平成27年版はこちらから↓
警視庁 運転免許統計

この統計によると、平成27年に70歳以上で免許を返納した人数は 231,233 人です。
返納者は23万人を超えています。

では、平成27年の70歳以上の運転免許保有者数はというと9,491,098人です。約950万人ですね。

計算してみると、70歳以上の免許所有者のうち返納した人の割合は…

わずか 2.4 パーセントです。

3パーセントにも満たないですね。
つまり、急激に返納者は増えていますが、まだまだ現状は少ないのです。

自主返納は進むのか

自主返納は多くなってきていますが、免許を返納しない(できない)人の方が圧倒的に多い状況です。免許証を返納できない理由をいくつか挙げてみます。

  1. 車が無いと生活ができない地域がある
    遠くに行かないと生活必需品をそろえられない地域があります。(バスも通っていないので車が頼り)

  2. 苦労して取得した資格を手放せない
    運転免許は国家資格です。苦労して取得した人ほど返納には抵抗があります。まだ使える資格を返納するには強い意志が必要です。

  3. 生きがいになっている
    車の運転自体が好きな人もいるし、車で出かけて楽しむことが好きな人もいます。
    また、車を使った仕事が生きがいの人もいるでしょう。

他にもまだまだ理由はあるかもしれません。

これらのうち、1の理由が切実です。車が無いと生活に支障が出てしまいます。まずはこれをサポートする体制ができるかが問題ですね。

最近ではバスの運行がほとんど無い地域で、タクシーをシェアして(乗り合わせて)使うことによって料金を安くするという試みをしているところがあります。

この方法は良いように見えますが、うまくいく地域とうまくいかない地域があるようです。地域によって状況が違うので、その地域にあった対策を取れるのかが問題です。

今後は高齢者の人口が増えるので、それにつれて返納者も増えていきます。
でも現状のままでは返納者は増えますが、全体の免許保有数に比べると、まだ数パーセント程度から抜け出せないのではないでしょうか。

自主返納に期待するのは、運転免許返納後のサポート体制が大幅に良くならないと厳しいと思います。

やっぱり免許の定年制が必要か

自主返納が進まないのなら、思い切って運転免許を定年制にするのはどうでしょう。
もし定年制にするのなら何歳くらいが適切なのか警視庁のデータから考えてみました。

定年制にするのなら何歳なのか

交通死亡事故を起こしやすい年代について調べてみました。
交通死亡事故の第一原因の割合(10万人中何人いたか)で考えるのが一番公平な比較だと思います。

では、そのグラフがこちらです↓

年齢別の第一当事者の死亡事故件数(10万人当たり)

「自動車又は原動機付自転車運転者(第1当事者)の年齢層別免許保有者10万人当たり死亡事故件数の推移」(警視庁資料のデータをグラフ化したもの)

このグラフを見ると、大きく分けて3つのグループに分けることができます。

  • 死亡事故を起こす割合が低いグループ
    30代、40代、50代、60代

  • 死亡事故を起こす割合が次に低いグループ
    20代、70代

  • 死亡事故を起こす割合が高いグループ
    10代、80代

このグラフから、10代と80代の死亡事故を起こす割合が高いことが分かります。
死亡事故を起こす割合が低いグループに比べて、3倍から4倍くらいになっています。

70代は20代と変わらないくらいの死亡事故の割合なので、定年制という年齢を設定するのであれば80歳くらいでしょうか。

運転免許の定年は80歳?

上記の統計からすると、定年制にするのであれば80歳くらいが目安になるのではと思います。

でも定年制を決めるということには反対する人が多いでしょうね。

「注意力」、「判断力」、「運動機能」の低下については個人差があります。
これは高齢になるほど個人差が大きくなります。

例えば同じ80歳の方がいたとしても、

片方の方はしっかりとしていて運転もまだ大丈夫
もう片方の方は判断が明らかに遅くて注意力に欠けている

などということはよくあります。

元気な80歳の方にとっては、まだまだ運転できるはずなのに免許を取り上げられてしまうと感じます。

これは納得いかない方が多いと思います。

定年制ではない方法を考えた

自主返納はまだまだ少ないし、定年制は年齢の区切りが難しいし納得できない人も多い…

そこで、ふと思いついたことなんですが…

初心者マークって表示する義務がありますよね。でも高齢者マークの表示は努力義務です。

これと同じ感じで、普通免許の年齢の規定を

取得年齢:18歳 ← 絶対
返納年齢:80歳 ← 努力

っていうように、免許の返納を努力義務とするのはどうでしょう。
努力義務にすることで以下のような効果があるのではないかと思います。

  1. 高齢ドライバーには
    道路交通法に規定されれば、「80歳になったら通常は返納する年齢なんだ」と考えるきっかけになる

  2. これから免許を取得する人には
    自動車学校で18歳で免許を取得するときに80歳で返納が努力義務だと習えば、免許は返納するものという意識が早い段階で作られる

  3. 話題になる
    道路交通法に規定されるとなれば、かなり話題になります。自主返納してくれる人が大幅に増えるんじゃないかなぁ。(願望)

こうした方法の他にも、免許更新時の適性検査を厳しくするなど、考えればいろいろ思い浮かびそうです。
定年制は一つの案なので、もっといい案があればそれに越したことはありません。

自分が高齢者になったときのことを考える

私は免許は普通免許の他に、大型、大特、牽引、大自二、普自二、大型二種などを取得しました。
全部取るのに10年くらいかかっています。

何度も運転免許センターに通った思い出もあるし、頑張って取得した資格です。

本当は免許の返納はしたくありません。
ですが、危険な運転もしたくありません。

では、自分が高齢ドライバーになったときにどうするのか…

私は覚悟を決めて、遅くとも81歳の更新時には返納するつもりでいます。
(運転が心配になったらもっと早く返納します。)

実は正直なところ、車の運転には多少自信を持っています。(ちょっと所持免許が多いのでうぬぼれています^_^;)
それが運転経験をさらに積んだら、ますます自信をつけてしまいそうです。自分ならまだまだ大丈夫だと…

「まだいける、もう1年くらいなら大丈夫」とずるずる先延ばしにするのは危険です。
だから自分の中での定年を設定しました。

定年制というのは、すべての人に「この年齢で定年です」と設定するのは難しいですが…
自分ひとりに決めるのは簡単ですね。自分の意思しだいです。

最後に

車の運転技術は常に進歩しています。最近では自動運転が実用化に向けて開発競争が激しくなってきています。
この技術が実用化されれば、こうした高齢ドライバーの問題も解決されるかもしれません。

例えば、80歳になった人は免許証の条件に「普通車は自動運転装置付きに限る」なんていう条件をつけてみたりして。

車の技術で高齢者の交通事故が減る時代が早く来るといいですね。


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ABOUTこの記事をかいた人

柊にわか(ひいらぎ にわか)といいます。 自分が成長するのが好きな40代の男です。 パソコン、ジョギング、料理、お笑い、映画、ディズニー… ジャンルを問わず、興味をもったら首をつっこんでしまいます。 成長するのが止まったら自分の人生は終わりだろうなぁ。